#5「宿世」

 源氏の君を愛する故に自らの気持ちを抑え続け、一線を越えてしまったことでさらに強くなろうとする。藤壺の優しさとか強さとか、悲恋の極みというか、もう原型だよな。源氏の君にしろ、藤壺の影を追うあまりの衝動に悔恨に身代わりなのだし。ほんとに遥か昔の古典に全てが詰まっているのだから恐れ入る。原作の趣きがすでに圧倒的で、過剰演出の出張る余地があまりなかった分、今回は葵の上で笑わせてもらった。こっちはツンデレの原型。普段素っ気ない分、余計にかわいく見える。こりゃ惚れるなってほうが無理だ。