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「電車男」
　本屋でぱらぱらと確認してみたら、まとめサイトの体裁とほとんど同じだったので買わないことに。もっと小説風の体裁になったりするのかと思ったんだけど。ごっつあん新潮社だ。まあ書籍化は次なるステップへの一歩と思うことにしよう。テレビドラマ化なら興味ある。もちろん話としては他愛もない普通の男女の恋愛話に過ぎず、そこに不特定多数の人間が関与していくとこに面白さがあるわけで、そこをどう描くかで非常に面白いものが見れそう。手法としては、映画でよくあるような（ドラマではERみたいな？）、全く関わりのない複数の人物たちを同時的に追いかけてゆき、最終的にひとつの線に集約させてゆく（集約させないというのも手だし）という感じのパターンかな。電車男とエルメスが主役なのではなくて、目線はあくまで掲示板に書き込む者たち。電車男はリアルでは一切登場しないとかいいかも知れない。
　同じ意味で活字化（小説化）を考えるなら、ネットの特性を活かすべきなんだと思う。井上夢人らが既にやっていることだけど、不特定多数の中のひとりの視点を選択してスレを読んでいくとか。なんか、これだと「電車男」の魅力を殺しているだけのような気もするけど。
　あと自分はまとめサイトで読んだ。一気に読める面白さは味わえたけど、日々リアルタイムで追っていた人たちの盛り上がりもハンパじゃなかったのだろうなとは感じた。なので、読めるのはその日までに書き込まれたもののみで、次の日に書き込まれたものは次の日にならないと読めないとか、リアルタイムで追っていく感覚を味わえるスレ疑似体験ツアー。で、自分の書き込んだ内容によって電車男のリアクションが変化する。まあそこまで要求するとゲーム化のレベルだね。他人の恋を応援するテキストADV。しかも積極的に介入して、見知らぬ「友人」をモテ男（モテ女）に養成してゆく。うーん、書いてて、これ売れるか？と感じてしまったけど、でもドラマ化もゲーム化も試みとしてはやり甲斐あると思う。少なくとも、ごっつあん…よりは。