#9「賢い蛇 純真な鳩」

  警察犬代わりのベアトリーチェに、ジャンに命じられるまま、笑みさえ浮かべてマウントポジションフルボッコのリコとか、義体たちの道具としての側面が強く出ていた今回。それでこそ、普段のきゃぴきゃぴ仕様との落差が活きてくるというもの。前回はこいつ誰だ?状態だったベアトリーチェも、クラエスとは系統の異なる無愛想さというか、若干感情の欠落したような感じがいいかも(担当官に全く媚びない描写に、何故かホッとする)。義体の感情表現は担当官次第(1期トリエラ談)ということであるなら、担当官は結構気のよさそうな性格だったので、ビーチェのこの愛想の無さはどういうことだとちょっと気になった。もう少し早めに登場させて、ビーチェメインの回想話も見たかったなとも。
  それにしても今回軽く衝撃を受けたのは、ジョゼがエッタとの関係を重荷に感じ始めているという事実。なんだ、エッタへの優しさはマジで奉仕精神だったのか。たとえ見せかけであっても可能な限り普通の少女として過ごさせてあげたいと本気で信じている愚かな男ならまだ良かったんだが、一歩引いた目線だったとしたら救いがなくて、エッタが救われなくて嫌だな。しかしまあジャンとジョゼは手段は違えど、同じものを見て、同じ思いでいる、やはり兄弟なんだなと実感できる点は面白かった。