#1「兄妹 fratello」

社会が病んでいるからなのか、作り手が病んでいるのか、あるいは見る者が病んでいるのか、こういう作品が成立してしまうんだなあ。まあ、エロゲーなんかでは別に珍しくもないストーリーなんだろうし、同人レベルではそれこそ山のように似た話が作られていると思うけど、テレビアニメとして作られてしまうところが凄いと思う。欧米を意識して、日本も暴力描写には敏感になったけど、エロ系、倫理系はまだ規制が甘いと言われる所以でもあるというか。いや、フジはこの作品の前でも「テクノライズ」とかでばりばりの暴力描写をやっていたわけで、ことアニメに関しては規制も何もありゃしない局とも言えるんだけど。深夜だからできる、無法地帯の深夜ならではの作品とも言えるし、フジのそういう意欲的な姿勢は好きではある。
少女を殺し屋として養成するところは「ニキータ」のようであり、社会の暗部に生きる幼い少女と大人の恋愛ごっこみたいなところは「レオン」のようであり、どちらも自分は好きな作品なんだけど、伝わってくるものはどちらとも違うというか。ヘンリエッタを救いたかったというジョゼが嫌だな。その辺から物語が動いていくのかも知れないけど、道具として扱いながら、道具として見れないというジョゼのはっきりしない態度がいやらしくて、素直に見れなかった。