#1「転がる人生 苔生えぬ」

「用心棒日月抄」シリーズにはまって以来の藤沢周平ファンとしては前回まで放送されていた「蝉しぐれ」は是非とも見ておく作品だったのに、結局初回をちらりと見た程度で終わってしまった。それが悔しくて、今回からの新シリーズは前もって予約して準備。って、藤沢周平作品ではないし、内容も全く関係ないんだけど。
年老いた父親とその娘による仇討ちがテーマのお話。仇討ちものと言えば、深刻で悲愴な話になることが多いけど、この物語は仇討ちをメインにというよりは、江戸での生活、特に多彩な面々が住む長屋での騒動を中心に描いて、コミカルさを強調する話になるみたい。脚本が内館牧子ということからも、時代劇臭くない時代劇をやりたがっている感じ。武田真治小泉孝太郎舞の海井岡弘樹と、キャストにも売りと遊びを入れているようだし、時代劇慣れしていなくても楽しめる敷居の低さはあると思う。ただどうかな、落ち着かないドタバタという言い方はおかしいかも知れないけど、笑いの流れがごちゃごちゃしていて、コントっぽいというか、時代劇コントのほうがまだしっかり笑えて、しっかりドラマしているんじゃないかと思うような。どこにポイントを置いて見ればいいのか迷う感じはあった。これからどんどん転がされるのかと思うと、付いていけるかどうか少し不安。まあ、今期はアニメでも時代劇と時代劇っぽいものがいくつかあるので、視点を多く持っておく上で見てもいいと思う。