#4「人形 bambola」

 少女をモノ扱いすることにためらう奴がジョゼ以外にもいやがった。大人側の苦悩はジョゼだけで充分だよ。
 条件付けが弱いらしいトリエラはヘンリエッタやリコより普通の女の子に感じられて、冷めた物の見方とかまともな気がして、救われた気分になった。トリエラ自身の性格から来ると思われるきびきびとした態度や本音も救いだった。でも洗脳が弱い状態でああいう仕事をさせられているってことは麻酔なしで体を切り刻まれているようなもので、今回のトリエラの生理痛は生身の部分も残る義体である少女たちの肉体的な苦しみであり、真の精神的な痛みをも暗示しているのだろうな。そう考えると、条件付けされているヘンリエッタやリコのほうがまだ幸せなのかなとも思うし、かと言ってその状態がいいとも言えず。ヘンリエッタに救われた気分になったのは単なる錯覚で、やはり救いのない世界であることに変わりはなく、ますます暗い気持ちになるというオチ。この少女たちに救いはないのかと思っている自分にも、おまえがそんなこと言えた義理か、だし。暗部をざっくりえぐってくれる作品だねえ。