#8「賢者の石」

 ああ、巧いね。タッカーとは別の狂人を用意して、人が人を殺すことの是非を語らせたり、国家錬金術師の真実をほのめかしたり、エドがまだ青いこと、殺される恐怖を味わせて自分が何の力もないガキであると、ニーナを救おうとしたことは思い上がりに過ぎなかったとエド本人に気付かせる。前回見てて感じた疑問が今回でそれなりに氷解する形になっている。これまでの話が大きな流れでのプロローグであって、今回の話で作品タイトルが改めて表示されるような構成になっている。ああ、巧いね、と言うしかない。相変わらず針の振れが尋常じゃないというか、極端な部分もあることはあるけど。それはこの作品の個性であり、味であるとも言えるわけで。地に足の付いた物語だと感じることはできて、好感は持てた。