#5「約束 promessa」

 重いなあ。条件付けのことや義体の少女たちを道具としてどう扱うか、どう扱えるか、システムとしてまだ問題があることを描く、そんな回だったけど、クラエスは道具としても否定される。本当にただの実験体。普通の女の子らしさの残るトリエラの後で、クラエスだもんな。またこの二人が一緒の部屋というのも嫌がらせに近い。暗くなるなってほうが無理。で、少女側の救いがトリエラなら(ほんとは違うけど)、大人側の救いは今回のラバロということになる。ラバロは善人でも何でもなく、最初はトリエラを利用しようとした卑近な存在。それはラバロ本人も分かっていて、偽善だと気付きながらクラエスを普通の少女として接しようとし、それにも耐えられなくなって公社を去ることにした。これがフツーの反応だろうと見ているほうは少し安堵感を覚える。でもこの作品ではラバロもまた否定される。そんな奴はこの世界にいらねえと。ふうー、マジ重たい。見ていて、拠りどころがないというか、心を落ち着かせる場所がない。常に不安に駆られるような感覚を味わえる点では秀逸。踏み絵みたいなもの。