#8「夜に惑わされて」

 真夜中の学校編。夜中にみんなで学校に集まった経験が自分にあったか、あったようななかったような、情けないことにもう定かじゃないんだけど。小学生の頃だったか、放課後に居残っていたら、夕立が来てまるで夜になったように真っ暗になったことがあって、その時廊下とか歩いていると、暗いし、ひっそりとしているし、怖いし、別世界に迷い込んだみたいな錯角に襲われた覚えがある。学校という場所のもうひとつの顔をその時知ったというか。そういう経験て結構貴重だと思うし、冬の星空を見る会でも夏に学校でキャンプでもいいから、夜の学校を体験する行事のある小中学校があったら、素敵だなと思う。まあ、いろいろ問題があるというか、問題になりたくないから今の教育現場ではやりたがらなそうだけど。貴重な体験をさせるのも教育なんじゃないかと。って、なんか話がそれた。
 ポルターガイスト現象の真犯人を捕まえる?という本題そっちのけで、遠足気分になっていく雰囲気がまずいいし。アニタなり、ミシェルはあの図書館で起こったことを知っているわけだから、ポルターガイストの真実も知っているはずで(だからこそ久ちゃんひとりが見張るつもりだった時、アニタは一緒に行こうと言ったのだろうし)、ミシェルやマギーちゃんが少しも心配する様子を見せないのは解せないのだけど、ミシェルは途中で姿を見せた。もちろん表面上はミシェルが萌えっ子好きだから、妹萌え弟萌えの萌え狂いだからってことでそういう見方でもいいし、やはり心配だから様子を見に来たと見ることもできる。アニタはジュニアを少しも疑っている様子はないのだけど、本を狙っているのが誰か知っていて、わざと本のありかを漏らしたんじゃないかと思えたり。アニタとジュニア二人で寝転んで、アニタがざっくばらんに語るシーンとか。のほほんと見て和むのもいいし、要らぬ深読みをしても楽しめるところが上手い。絶妙な味わい。
 久ちゃんはどうやらアニタに気があるらしいし、それでそのことを徹ちゃんに打ち明けてるし。アニタも徹ちゃんと一緒に帰る久ちゃんを見て意識してるし。楽しい。徹ちゃんの告白の後で、久ちゃんと顔を合わせる時のアニタの表情がまた良かった。みんな可愛くて、微笑みながら見てた。
 あー、なんかまだ書き足りない気分。まだ感じたことがあるような。それくらい、この作品にははまってる。