#5「ズッコケ時間漂流記」
 ああ、こういう展開もアリなのか。タイムスリップして、江戸時代と現代を行き来して、夢オチとも取れる終わり方。夢じゃなかったとしたけど、パンツの紐がないことが証拠になるわけじゃない。でも本人たちはそれで納得している。ハチベエたちには充分行って来た証になってる。うまいね。この話が先にあったら、ポルターガイストの回も少しは違う見方ができただろうに。
 かなりのタイムパラドックスが発生しそうな話でもあったけど、向こうで出会った相手が平賀源内というのがまた巧み。多才でありながら、当時では奇人変人扱い。なにしろ200年早く生まれすぎてしまった男だから、影響を与えても、あまり影響がないというか。平賀源内の奇天烈さの裏には、こんなことがあったんじゃないのかとも思える。最後、直接的な描写はなかったけど、平賀源内が人を殺したようにもみれた。おいおいと思ったけど、史実でも人を殺して、それで獄死してるんだね。タイムパラドックスの最大の影響は、日本史を大きく変えたかもしれない貴重な人物を失ったことかも、なんてね。



#6「ズッコケ推理教室」
 もちろん奥田くんのおかげ。なんでモーちゃんが独り占め?と思ったけど、そういえばモーちゃんがきっかけだった。しかし、ハカセの推理や、ハチベエの勘もあてずっぽうだったとしても結果的に事件解決に大いに貢献したわけだしねえ。モーちゃんだけってーのも不公平なような。まあ、そうでもしないとオチにならないけど。



#7「ズッコケ文化祭事件」
 泣いた。不覚にも泣いて、感動してしまった。
 プロの童話作家に文化祭でやる脚本を依頼しながら、その脚本が退屈だと評し、脚本に手を入れて、もっと面白いものにしようと言い出す。子供たちのその正直さ、その大胆さ。実際に子供たちが演じた劇は多少暴走気味に映ったかもしれない。でも子供たちは力を合わせ、自分たちだけで劇を作り上げた。その過程を大事にする。見事だね。私の作品で子供たちを立派な大人に育てるんだと言う童話作家のイタさや、子供たちを見守る担任の穏やかなまなざし、子供の心を打つものは大人が子供に与えようとするものとは限らない、とか。テーマが実に明確だ。明確でいて、これだけメッセージが込められながら、古臭い道徳話になっていないのも凄い。今回の話って、いつ頃作られた話なんだろう。最近と言われても驚かないよ。
 現実の子供たちはここにいる。
 これ以上の言葉はないように思う。