#93「交渉決裂!!」

 コイツ、並みの医療忍者じゃない。技のセンスと切れ味は私の全盛期すら超える。
 カブトに対する綱手の評。伝説の三忍相手にいい勝負をするカブトがいかに凄いかってことと、かつての綱手がいかに凄かったかってこと(自画自賛)と、そして今の綱手が力に陰りがあることも表している、ずばりな表現。力に枷がある、衰えがあるといえば、大蛇丸もそうだし、三代目火影もそうだった。ナルトたち子供から爺ちゃん、婆ちゃんの世代まで入り乱れて戦う、ってところが面白いね。さすが世代間のつながりを感じさせる物語だ。
 綱手のことを「綱手のばあちゃん」と呼ぶナルトも相変わらず正直というか、的確な呼び名というか。で、そんなナルトのことをカブトはこき下ろす。全てにおいて隙がないように見えるカブトの唯一のミスは、ナルトの実力を見誤ったことだって感じなんだけど、ナルトに「だからサスケくんに敵わないんだよ」とか、カブトらしくないデータの古さだし、綱手との戦いで能力の高さを見せつけたカブトとも思えず、ちぐはぐな展開でなんか勿体ない。そのカブトの裏切りと侮辱に怒りの炎を燃やすナルトの態度もベタすぎ。綱手のばあちゃんを傷つけたから許せない、でもいいんじゃないの。
 今回のカブトは蛇顔に見えた。カブト本人は本気で大蛇丸に仕えているのか分からないけど、やっぱ傍にいると知らず知らず影響を受けるってことなんだろうか。