#10「眠り姫」

 クラウとクリスマス、引き離される。ずっと一緒にいた二人が引き離された訳だから、それなりの感慨があるかと思ったら、そうでもなかった。クリスマスの可愛さに頼りすぎた? クラウが力を失ったり取り戻したりも、前からやってることだし。リナクスとしての、クラウとクリスマスの関係はどうも乗り切れない。
 それよりもクラウの父親が絡むと面白い。父親が「良き科学者」であろうとするのは何よりクラウのためなんだろうけど、そのクラウはリナクスを苦しめてることに変わりはないと父親を非難する。それでも父親に会いたいというクラウは果たして本当のクラウなのか、クラウの中のリナクスなのかと気になるし、クリスマスの名を聞いて驚く父親に、ああ、クラウが対をクリスマスと名付けたのには父親にも関わる理由があるからなのだなと分かる。最後、泣きじゃくる父親の姿は切ないものがあった。ダグやアヤカを通して親子の関係はずっと描かれていたんだけど、やっぱクラウ親子に優るものはない。初回のインパクトは伊達じゃなかった。