#5「雨−−。涙……」

 余計な気遣いは却って人を傷つける。というか、本人が遊びに行こうと言ってるのにそれを断るのは気遣いでも優しさでも何でもないと思うけど。病院で鉢合わせして気まずそうにするのもそれはないだろと。とまあ、勢いにまかせて緩くいくのかと見えた登場人物たちの関係も今回は微妙なすれ違いを描いて、物憂げな雰囲気をよく醸し出していた。気情に明るく振舞う舞衣が祐一の言葉に堰を切ったように涙を流す、雨と涙を重ねての心情の描写が上手い。キャラ同士の狙った組み合わせが多いこの作品、そこがまた楽しい面もあるけど、主軸が真っ当な関係できっちり見せるところがまたいい。
 最後、いつもの明るさに戻った舞衣に「やっぱり舞衣は舞衣だ」と言って抱き付くミコト。ミコトが舞衣のことを心配するような描写はなかったので、ん?という感じだったけれど、きっとあれだ、動物的本能で舞衣の気持ちを嗅ぎ取ったに違いない。飼い主が塞ぎ込んでいると、クンクンと鼻を引く付かせて近寄ってくる子犬のように。って、ちゃうちゃう。