#4「笑わない町」

 笑わない町。笑うことを忘れた、感情を失った、よそ者に無関心、そんな人々のいる町の話なのかと見る前は想像していたら、町を牛耳る悪党に笑いを禁じられているだけ。全く笑えないわけではなく、笑いをこらえる人々の描写に、こちらも笑いをこらえきれなくなった。「笑顔が世界を救う」琉朱菜にとっては見過ごせない状況に違いないけど、笑顔だけじゃどうにもならないことを証明してしまっているのは琉朱菜自身だからなあ。いくら退治しても、悪党はどこからでも沸いて出る。笑顔があれば大丈夫ですと言い置いて、はいサヨナラは無責任すぎるよ。よく笑えるようになったあの少女のその後を思うと、笑えないかも。
 で、主眼は銃と剣の違いだったりする。剣を扱う者は斬る相手の重み、痛みをその手で受け止める。そのすべてを受け止めていたら「鬼になる」。この言葉に説得力があったのは、やっちゃん、じゃなくて、中井和哉だから。これを言わせたかったんだろうな。