#1「カウント・ダウン」

 戦術シミュレーションを思わせる後半に「サイバーナイト」を思い出した。ゲーム版もプレイしたけど、ゲーム専門誌か何かに連載されていたドキュメンタリー風の小説のほうで、SF的技術を現実に即して考証する描写がリアルっぽくて好奇心をくすぐられて好きだった。それに確か原作者も参加していたはず。
 TV局をスポンサーに付けて戦況を生中継するってのはかなり現実的な行動なのに、それによって作戦は相手に筒抜けとか、そこまでリスクを背負って戦う必要があるとは思えないし、使命感も悲壮感も感じられず。軽い気持ちで戦争おっぱじめましたって感じにしか見えないところが苦しい。まあそこを突っ込んだら話が始まらないだろうし。圧倒的な戦力を有する一隻の戦艦で何ができるかが「ジパング」の醍醐味なら、勝ち目のない状況で一隻の戦艦で何ができるかをリアルに追求するのが本作品の面白さだと期待して。