#22「神様にようこそ!」

  人生はいつだって残酷だ。佐藤くん、束の間のご休憩、いや休息と思いきや、先輩ともお別れ。山崎に続いて、引きこもりじゃなかった頃に戻れる者の退場。また泣きたい気分なのを無理して先輩を励まして笑顔でお別れ。自分の気持ちをごり押しできないところが、佐藤くんの弱さであり、強さかな。つらいやね。でも、山崎と別れるときもそうだったけど、ふいに出てくる態度や言葉に相手を思いやる気持ちが感じられるのが佐藤くんのいいとこ。ただ殻に閉じこもって、自分しか見えてないわけじゃない。真のひきこもりに思えないのはそういうとこがあるからなんだな。イイ奴なんだよ、佐藤くんは。それに引き換え、岬ちは…。佐藤くんに救われるというのも、今の岬ちには好ましいことではないのだろうし。根深いな。