#3「Phobia Exposure」

  「なん、なか」。やっこくていい語感だな。ひたすら不安感を刺激する物語のなかでの一服の清涼剤。もう少し険悪な関係なのかと思われた太郎と大神が、複雑な事情であえて口を聞こうとしないだけの間柄だったと分かってそこでも和んだりするのだけど、それすら騙しに見えてしまう作りだ。恐怖症曝露とはつまり荒療治ですか?というような危険な誘いに軽く乗ってしまう太郎に、まさに闇に脅えている者の危うさを感じたり。太郎自身その言葉を知っていたように、克服したいという強い思いがますます深みにはまらせているのか。ああでも自分も学生時分だったら、これを見てそっち関係の本とか漁ったりしただろうな。