#49「私のお母さん」

  泣いた。サンプリスが嘘をつけないと分かっていて彼女にすべてを託すジャンといい、つらさに耐えながら母の真実に耳を傾けるコゼットといい、登場人物たちの心情が痛いほど伝わってきて感極まってしまう極上回だった。ファンティーヌの苦労話がこの終盤でこういう形で実を結ぶというのも、まあ名作劇場のお約束ではあるけど見事というか、ここまで見続けてきたご褒美みたいなもの。気持ちよく泣けました。ファンティーヌの悲劇を教訓にしての「託児所」という後日談にも、いやらしさを感じつつ、コゼット的には無念さや嬉しさといった様々な思いが去来して胸が熱くなったし。
 鍛冶屋のおやっさんがガヴローシュより、コゼットのほうにより驚いていたのも笑った。そりゃあ、ぶったまげるよな。このあとモンフェルメイユの村ではしばらく「コゼタリアン・ドリーム」の話で沸いたかもしれぬ。