#16「ソラバヤシ」

  「ノリが悪くてゴメンね」。いやいや、普段とは違う陽気で楽しげな静流を堪能させてもらったよ。方向性は違えど、古関さんは静流と似た者同士。静流の、人には言えない能力を真に理解してもらえる者に出会えるのだろうかという前回の問いに、早くも答えを出してきたような展開には苦笑してしまったけど、躁状態にでもなったかと思うほど、陽気な気分を恥ずかしがることもなく表に出している静流を見てるのは楽しかった。静流は本当はこういう子なんだろうね。でも静流は引き際も知っていて、瑞生が立ち向かっていくことで乗り越える性格なら、静流はあえて距離を置くという自浄作用を持っている。理解者を求めながら、孤独をも怖れないところが静流の強みというべきか。他にも、静流が日常の何気ない音にハーモニーを感じる場面はアヤカシに関係なく感動的だったし、「夕暮れの鐘が鳴ったらちゃんと帰ってくるんだぞ」という爺ちゃんの一連の言葉に、そうか彼岸に行ったきりは、てめえの性根の問題なのかと身に沁みたり…。古関さんが竹内順子だったことに愕然としたり、ハレの場(回)だからということなのか、静流がいつもよりかわいく幼く見えたり、いやいや相変わらず飽きないねえ。それどころかますます濃くなってる。