#9「なかなか飛べないね…」

  どうやら監督の趣味らしいこちらを戸惑わせる妙なカットの挿入、今回も久々に多めでにんまり。特別変ってわけでもなかったけど、乃絵が眞一郎の鼻の上の絆創膏に触れるシーンとかも良かったな。眞一郎が乃絵の気持ちを初めて受け入れた瞬間のようにも思えた。でもそれで二人が幸せになれるわけでもなく。「眞一郎、あなたは飛べるの。でも、そうね、あなたが飛ぶところは此処じゃない」。乃絵の健気さに、無性に胸が熱くなった。三代吉のいいダチっぷりにも泣けたし。それぞれの登場人物の心は激しく揺れ動いているけど、それを静かに描写しているのも好感持てていいな。