#2「密航」

  すげー、カイバ、ひと言も喋らねー。初回もオウム返しなことしか言ってないし。そのくせちょっとした仕草にも意思というか、感情のようなものが感じられて、存在感は凄くあるんだよな。コチュの着替えをさり気なく見ているところとか、なかなか笑った。コチュが最初、カイバのことを女と思ったり、旦那がいるとか決め付けたのは単なる早合点なのかもしれないけど、肉体はいくらでも取替え可能でも意識レベルなら男女の区別は付くのか? いやそれにしたってこんがらがりそうだよな。反乱分子として暴れているらしい子だって、ペンダントの写真の子と(中身は)同一人物なのかもはや分からんし。カイバのずっとそばにいる子が案外その子だったり?というベタな想像も。コチュもかわいかっただけに、記憶のタマゴとなって散る場面はやけに切なかった。苦痛を排除して、快楽のみを求めるのは上流階級だけに許された特権だとしても、下層は下層でつらい現実から逃避できる術を追い求めているというあたりがなんか泣けた。基本コミカルなノリで楽しいんだけど、しんみりする部分もあるのがいいな。とにかく仕掛けの発想がフリーダムで、見てて飽きない。