#12「夏のソラ」

 えーー。魔法士になってソラが叶えたかったこと、その思いという点ではちょっと泣けたけど、ソラは元々余命少ない身だったのか、魔法を使うと命を削ることになるのかで印象もだいぶ違うし、そもそも魔法士になる前からソラは力のある魔法を使えたし、ちょくちょく使ってたようでもあるし、なんでわざわざ東京まで行ったのかって思いが…。美しい思い出を胸に、とかそんなのやめてくれ。そんな魔法の使い方で誰が喜ぶのかと、死んだ父親も喜ばせたかったのなら豪太を連れて来るべきだったんじゃないかと。山田さんはどうもいい話にしようという思いが強すぎるのかな。前作より悪くない雰囲気に仕上げながら、実は前作以上に地味に捻じ曲げ力が凄かった気がしないでもない。今作で音楽がふんだんに取り入れられたのは監督の好みと可能な限りの方向修正なんだろうけど、後に深く残らない、ちょっといい感じの余韻って意味では確かにMV向きの脚本って気がしてきた。