#4「藤壺」

 今日は源氏の君が咆哮する日。一度は自制しておいて、素直になれない自分自身に憤慨し…という手順を経るのが笑った。藤壺にしてみれば、舌の根も乾かぬうちに結局来るんかい、と二重に裏切られた気持ちだろうし。まあ、この間の藤壺の心の動きは描かれなかったけど、それだけに、いけませんわと拒もうとしたら、先に源氏の君にことわられて、内心がっかりしたとか、勝手にあられもないことを考えていた自分が恥ずかしくなったとか、それを想像できるのが楽しい。この余韻が楽しくていいな。王命婦や惟光が仕える身なりの生き方(楽しみ方)を心得ているのもいい。