#7「地球外少女」

 地球の重力に耐えられない体か。ほんとなのか知らないけど、絵空事にならない程度に、あり得そうな問題として話を構築するやり方は上手い。忍者話の後というのが何とも心憎い。前回の話もあれはあれで現実の枠にかろうじて留まるものだし。ルナリアン?の少女以外にも、白血病にかかり自殺するベテラン宇宙飛行士とか登場させて、宇宙に出ることの現実を描くところなんかも上手い。別にかしこまって身構えるという意味ではなく、夢を追うこと、引いては生きることはそれなりの覚悟がいるってことを実感させてくれるいい話だった。何かを見失いがちな時に、本気で殴ってくれる(=目を覚まさせてくれる)人間が周囲にいて、自らも軌道修正することのできるハチマキというバランス感覚も実にいい。
 最近、タナベがおとなしいのが唯一物足りない。タナベがハチマキに気があるって描写は要らなかった気も。これはこれでいいと思うし、後々の伏線になっているのかなと思うんだけど、今回の話には余計だった。総じて上手くて、いい話の本作品も、いい話にしようとして余計な肉付けが多い気がするのが、ちょっと鼻につくところ。いまひとつ素直に感動できないんだよね。