#4「ずっと帰らぬ父だった」

 鮎之介のとつとつとした喋りが切なさを誘う。さらばでござるじゃねーとか、聞いてねーよ、って自由の言い方も鯉之介に対する気持ちが素直に表われていていいなあ。父思いの自由だから、鮎之介の気持ちも分からないではない。だからラブリー眼帯を受け取ろうとする気持ちに傾いた。しかし最後は拒否した。それはやはり父に心配かけたくないという気持ちもあったと思う。気持ちの揺れ動きがいい。笑わせるだけ笑わせて、こういう風にシリアスをやられるとたまらなく弱い。