#162「殺生丸様と永遠に一緒」

 殺生丸といつまでも一緒にいたいと願うりん。しかし人間であるりんはいつかは死ぬ。それでも一緒にいたいと願うのか、りんが自分の気持ちを確かめる話。とは言っても、りんの気持ちは変わらないわけだし、どちらかというと殺生丸の気持ちが確かめられる話でもあったような。助けに来ておいて、というか迎えに来ておいて「好きにしろ」と言い、「りんが死んでもりんのこと忘れないでね」というりんの言葉に「馬鹿なことを」と返す殺生丸はかなり照れ隠しが入ってたけど、それも殺生丸なりの不器用な愛情表現なわけで。
 不死の者と命に限りある者の愛の話と聞いて、「ハイランダー」を思い出す。ぶっちゃけチャンバラがメインの話なんだけど(って犬夜叉もそうか)、序盤は幻想的な中世スコットランドが舞台だったかと思えば、後半は現代のニューヨークに舞台を移したり、永遠に生き続ける主役の戦士(クリストファー・ランバート、これがメチャカッコイイ)と有限の命の女性たちとの話とか、独特の味付けが好みで好きな一作。特に、最初の妻が次第に老いてゆく場面で、バックにQueenの曲が流れるところなどはもう絶妙で、最初に見たときは鳥肌が立った。
 永遠の愛を誓えど、二人一緒の時は永遠ではない。だからこそ気持ちはいつまでも一緒に、と願う。なかなかに泣けるテーマだ。