SCE

 前々からやってみたいと思っていて、再廉価版が出たのを機に購入。
 今になって手を出す気になった最大の理由は、「零〜紅い蝶〜」をプレイした人がICOに似てると言っていたことにあり、プレイしてみて、それはすぐに感じた。イコは少女を連れて城を脱出しようとするのだけど、少女は手を引いたり、呼びかけないと一緒に付いて来ない。そのもどかしさ。また少女は黒い影に襲われるが、少女は無防備だからイコが守ってあげなければならない。まさに「零〜紅い蝶〜」の澪と繭の関係。澪も繭を霊たちから守る。繭は澪の後を付いて来る。でも足が悪くて歩みが遅いので、澪(プレイヤー)だけさっさと先に進んでしまうと繭は置いていかれる。それでも構わず先に進んでいったら、ある時、「澪、待って」と繭に言われて、後ろめたい気分になったことがあった。ICOでもイコひとりで先に行って、遠い場所から呼びかけると、少女の何語とも分からない返事が返ってくる。「どこにいるの?」とでも、「そこには私ひとりじゃいけない」とでも言ってるような、切ない声で。連れて歩いている時も少女の「手を引いている」感覚がよく伝わってきて、このゲームの肝はこの感覚にあるんだなというのが分かる。特に、段差のあるところや、ジャンプしないと渡れないような場所で少女に手を差し出して、それに少女が反応して手を掴んでくる感覚がいいね。ゲーム中、イコと少女の間で会話は特にないんだけど、(たとえ頼りにならなくても、)頼りにされているんだなと感じられるところ。手をつなぐ感覚がこれほど会話を生むとは新鮮だった。
 イコの仕草も愛嬌があっていい。多少体が丈夫という設定で、ある程度の高さから落ちても平気であることを利用して荒っぽい動きでもがんがん進める。ジャンプも浮遊感覚に特徴があって、階段を降りている時にジャンプすると心地よい。高い場所でそういう荒っぽい動きをしてると、何度も落ちそうになって、おお落ちるぞーってスリルも味わえるし。爆弾を抱える姿には結構笑わせられた。棒を持ちながら、爆弾を両手に抱えて、それで少女の手も引くんだからね。律儀というか、健気というか、逞しい。そういう小さい体に似合わず力持ちなところは未来少年コナンみたいだ。そういや、コナンも高いところから素足で落ちてもへっちゃらだったし。壁のわずかに突き出た部分を利用してよじ登ったり、横に移動したりするところもコナンそっくりだ。じゃあ、少女はラナ?
 謎解きも今のところ適度。少女がヒントをくれるし、パターンが分かればそれほど悩まない。MYSTゼルダシリーズで挫折している自分にはちょうどいいかも。アクションがちょっと単調かな。棒を振り回してるだけだもの。その辺が、ファインダー越しに霊が近づき、じわりとした恐怖を味わえた「零〜紅い蝶〜」との大きな違い。
 剣を手に入れたところで、今日は一旦終了。