#11「呼び合う声」

 冷静に行動しなさいと自分で言っておきながら、追いかけっこに興じる子供のごとく、クラウ捕獲に感情をむき出しにするアヤカは見てて面白かった。けど、捕り物自体の描写とかテンポが悪くてちぐはぐな印象。今回はダグがいなければと言いながら単独潜入してるクラウと対になっているのだとしても、クラウ対アヤカってあんまり効果的になってない。ダグがいい使われ方しているのに比べて、アヤカはどうもダメだな。リナサピエンスは危険な存在という理由で、クラウ捕獲に執拗にこだわる。それは例の過去の惨劇も関係しているのだろうけど、クラウと天箕博士の関係に驚いたりと、クラウ個人のことはほんとに何も知らない(興味がない)らしくて笑ってしまった。相思相愛の関係(クラウとクリスマスとか、クラウと天箕博士とか)に横槍をかます。アヤカに感じる不安定さはこの片想いにもあるんだな。
 眠りから覚めたクリスマスはちょっと大人っぽく見えた。成長した?と一瞬思ったけど、ああ、笑顔がないからか。無表情のクリスマスは確かにクラウ似。クラウだけでなく、天箕博士も、考えは違うけど王警視正までも、クリスマスを守れ。やっぱこの物語はクリスマスがいないと進まないようだ。しかし、クリスマスを取り戻し、父親ともやっと再会できたというのに、先の見えない閉塞感。まさに追い込まれてゆく感覚。こういう雰囲気はいいんだよなあ。それもこれも用意周到に見えて後手後手なとこもあるGPOのおかげと思えば。