#11

 これまでの新国連の反応から、竜宮島のファフナーは最強を誇っているのかと思ったら、そうでもなかった。ファフナー自体は優れているかも知れないが、それもパイロットの腕次第ということらしい(「性能のおかげだということを忘れるな」?)。敵も圧倒的な脅威なのではなく、あっさり倒せることもある、と。外の世界の描写が入り、世界観が広がったことで面白く見れた。少なくとも竜宮島の中でごちゃごちゃやってるより全然いい。竜宮島の人間たちの素顔がよく分からない中で、自分たちは正しいことをしていると正義ぶったことを言われても何のこっちゃだったのだけど、竜宮島と新国連のどちらが正しいとも割り切れない状況というのは面白い。
 一騎もどこまで覚悟して島を出て行ったのか、前回の描写では分からなかったけど、狩谷先生への反応などを見ると、ほんとにただ外の世界を(おそらく総士の見たものを共有したかったという理由で)見たかっただけのようだし。覚悟ができているわけでもない。分かっているようで何も分かっちゃいない。まあ総士自身もポエムで何度もそう言ってるしね。適合者とか言われながら、結局普通の少年たちが苦悩する物語であることはよく分かるよ。もっとそこを深く掘り下げていってもいいと思うんだけど、すましてる作品だよな。まあ今のところ、ダメダメ少年コンビを、体育会系少女真矢がぐいぐい引っ張っていく形なんで楽しめてはいる。真矢のロッククライミングを、よく見守っているらしい総士もカワイイとこはある。