#15

 足りなかったものは、言葉、会話。まるでこの物語の展開そのままに、言葉を紡げば分かり合えるんだと話が随分シンプルになった。これで少なくとも一騎は対総士と対父親へのわだかまりは解けたみたいだし。一騎が島に戻り、島のみんなを守る意義もできた。「一騎くんの島」という翔子の言葉もここでようやく活きてくる。翔子も一騎と総士の関係には気付いていたらしい。それでも一騎のために何かしたかった翔子にとって、この言葉が出てくるのは別に不思議ではないけど、あの段階ではやはり唐突にしか思えなかったし、別の見せ方がもっとあったらと思うと惜しい。
 思えば、いつも感情を表に出して、気持ちを伝えようとしていたのは真矢。まあ、真矢自身も一番伝えたいことは伝えられないでいるわけだけど。それもこれも一騎と総士の固い絆を感じ取ってしまっているからであり。うーん、男同士が二人だけの世界に行ってしまうと、女性陣が悲劇のヒロインにならざる得ないのは仕方ないんだろうか。で、竜宮島のコアの女の子が思った以上にお喋りなのは、積極的同化によって生まれた新たなる進化形態ってこと?