#3

 歳の離れた妹をずっと親代わりで育ててきた、見守ってきた。兄のその強すぎる想いが死後、妹を死の世界に引きずり込もうとする。最初はそんな感じで、あまりな話だと思ったけど、兄が成仏できずにいたのは、死に際に「ひとりにしないで」と自分が言ったからではと妹が謝るところや、元気でやっている姿を見せようとしたことが逆に兄を悪鬼へと変えてしまったところなど、生者と死者の間のどうにもしようのない隔たりと、それで尚感じることの出来る強いつながりが描かれていて、結構泣けてしまった。死んだと思ったら鎖はつながっているからまだ大丈夫だとか言って、で次の日には普通にぴんぴんしていたり、怪物も成仏すればソウル・ソサエティに行って安らかになれるんだとか、少年漫画らしいお約束の設定もあるんだけど、王道の作りで面白く見られている。なんだかんだでこういう話が自分は好きらしい。そういえば、同じジャンプ原作で、同じく阿部記之監督作品だったあの物語も最初は彷徨う幽霊たちを救う話だったんだね。やっと共通点に気付いた。