#5「草加の選択」

 60年分の未来。知りたいと思うと同時に、知ってしまう恐さもある。考えただけで重い。情報に長けて、冷静に分析できる人間であれば、当時の人でも日本は負けるくらいの覚悟はできていたと思うけど、負ける過程を知るのはやはり相当にショックだろうな。敗戦の悲惨さと戦後の復興の目覚しさに、涙を流す草加。歴史が積み重ねられるものであることを実感できて、こちらも感極まるところがあった。軍事色を濃くしたif世界のお話ではあるけど、歴史の重みをあらためて感じ取る点ではいい作品。
 偵察機の先輩後輩の関係を冒頭で見せ、早々に死亡フラグを立たせておくのはどうかと思ったけど、圧倒的な戦力を有するはずのみらいでもなす術がない実戦経験の差というか、不意を突かれる描写は良かった。みらいには過去を変えたくない、同じ日本人と戦うのかという縛りもある。「ようこそ、我が時代へ。ここからはあなたがゲストだ」という次回予告での草加の台詞が、また実に重い。