テクモ ASIN:B00030GM8G

 PS2零〜紅い蝶〜」のXbox版。基本的にPS2版と大きな差はないらしいけど、「Xboxだからできる」最高水準のグラフィックとサウンドと謳われちゃねえ、とXboxを引っ張り出してくるのも久しぶり。本体のHDDにはkotokoの「Shooting Star」とか入ってた。ゲームとしても「Halo」以来だから、二年半ぶりくらいになるのか。その間、ほんとにただでかいだけの箱だった。そんなこともありの。サウンドも5.1ch対応になった。手持ちのヘッドフォンSE-XB1は何たってXbox仕様だから相性も抜群。ていうか、それも忘れてたよ。紅い蝶をプレイしてからというもの、肝試しは寒い季節に限るという感覚が生まれてしまったというのもある。何はともあれ、(生まれ変わった?)澪と繭に会いたくなったというのが一番の本音で、買った。
 触りだけプレイしてみて、やはりまだ大きく変わった印象はない。何度もプレイしているだけに、恐怖感もあまりないし。PS2版をやり始めたばかりの頃は、何か気配がするだけで、繭が「この部屋、何か変だよ」と言うだけで、ビクビクしてたけど。何か出そうと感じる雰囲気は同じなのに、何が出るか分からないのと分かっているのとではこうも恐怖感が違うものなのか。Xbox版のウリでもあるFPSモード(澪の目線で常にプレイする主観モード)はどうなんだろ。視界が限定されるって、要は射影機を構えた時と近い状態なんだよね。ファインダー越しの恐怖が常に続くというより、射影機を構えた時の恐怖が薄らいでしまっているように思う。主観視点で目が疲れるのに比して、得られる恐怖が少ない気がする。視点ぐりぐり、ヘッドフォンで臨場感が脳に直結プレイではさすがに疲労度が大きい。今作は恐怖とは別の意味で体力勝負になりそう。
 予約特典の、前作の映像を収めたDVD。ストーリー紹介というよりは、ゲーム中のムービーを繋ぎ合わせただけのようなので、話はほとんど伝わらなかったけど、恐さは端々に感じられた。何かの穴を覗くと、過去にそこで行われた出来事が映し出され、気付けば覗いている本人も同じ状態の中にいる。恐怖を追体験するような感覚が巧いよね。であるからこそ、紅い蝶でもあった突然大きな音を出して驚かす安っぽい演出は勿体ないと思ってしまう。そこ覗くんじゃないって思うのに、覗いてしまうだけで恐いっていうのにね。あと、「かごめかごめ」の唄も反則。この唄に潜む闇って考えれば考えるほど恐ろしくなるけど、後ろの正面だあれ、ってそれはヘッドフォンプレイ時は一番聞きたくない台詞だ。でも思えば、このじわりとぞくっと来る感覚が和的ホラーの醍醐味でもある。