#1「吾郎の夢、おとさんの夢」

 野球ものとは思わなかった。で、不覚にも泣いた。おとさんが夢を諦め、息子の吾郎がその夢を引き継ぐ。そんな無難な立ち上がりになるのかと思いや、おとさんがまだ夢を諦めないというのもいい肩透かしだったけど、やっぱ吾郎がいいな。おとさんの現実を知りながら、おとさんは頑張っていると信じ、自分も野球に情熱を注ぐ。吾郎の意志の強さや、おとさんに対する信頼を熱すぎず冷めすぎず描く視点がいい。
 吾郎を見守る桃子先生も同じ。先生として吾郎は放っておけない子なんだろうけど、吾郎の「おかさんでもないのに…」という言葉に反応してた辺り、それだけじゃないね、あれは。
 初回ってこともあると思うけど、野球ものっぽくない作り。NHKということや、時間帯を考えると、スポ根なノリを狙っているように思えないし、試合展開より外野の描写に力を入れるような、野球ものらしくない野球ものを目指すのであれば面白いものが見れそうかな。