#5

  世間というどうにもしようのない怪物に対するやりきれなさ、生きることのもどかしさ、身近な存在の貴重さ、そういったものを立てこもりという映画でもできそうなシチュエーションで映画以上の凝縮感で描いていた。犯人側、人質側でひと括りにせずに語っていたのが良かった。名倉潤も好演。強く揺さぶられたわけでもないのに、じわじわと来て、涙が止まらなかった。