#10

  今までの話で一番泣けた。認知症になると幼児退行するってのは身内でも経験してるけど、ある時期で記憶が止まってしまうというのは家族には、特に子供には何ともつらい。親がボケている現実と、親の愛情を感じるというダブルショック。認知症の母親がいる黒田の対応が良かった。笑って接することができるというのが普段から認知症の親と対している者の強さだよな。一週間前に帰省するまで母親の現状を知らなかったとか(まあ息子に余計な心配かけたくないとか世話になりたくないとか、そういう時はボケてない素の状態の感情があると考えることもできるけど)、妹の話とかご都合主義の部分もあったけど、人が思わず犯罪に走ってしまう、そしてどこで踏みとどまるか、話としてはいい話だった。いかにも羅生門って感じの話だったね。