#5「帰るところ」

  奇妙な共同生活の始まり。からだと尋兄にとっては、椒子は異質な存在。でも、どう接していいのかまだ戸惑っている今の二人には椒子はクッションの役割になって助かっている。椒子は椒子で、そんな二人のあいだにいる自分に居心地の悪さを感じている。それは自分自身がそういう立場からずっと逃げていたから、っていう流れが自然。椒子は子供の頃から根が暗かったんだな。素直になれないそんな椒子が、一歩踏み出して意気揚々と帰ってくる様は微笑ましかった。早く大人になりたいと願ったからだより、椒子のほうが今の状態に馴染んでいるってのが面白い。本当に願いが叶うとは思わなかったからだはその分、戸惑いも大きいのだろうけど。