#8「あさっての方向」

  家を飛び出したからだがひとりで暮らすことを模索して働き口を見つけようとする様には、何か根本が間違ってないかと思いつつ、「頑張ろう」というからだの奮闘ぶりにほだされてしまう。その気になれば何とかなるという可笑しさと、どうにもならない現実の厳しさがない交ぜになった描写が良かった。そして前半の違和感を受けての、後半の回想はそう来るかって感じだった。からだと尋兄の初顔合わせはこれまでに何度か見せていたけど、実の子でないと知っていい子であろうとする健気さと、本来の性格の良さが感じられる幼いからだに、涙が止まらなかった。尋兄のことを思うあまり、本当の兄妹になりきれなかったのはからだも同じだったんだな。前回は椒子と尋兄の、今回はからだと尋兄の距離感を、椒子とからだ、それぞれの視点で感じられた。