#14「ロバート・ウッドの鞄」

  フランスの命運を左右する大事に、デオン、木偶人形と化す。英国でのデオン最大の自慢とも言うべき話において、実はデオンは何もしなかったとする面白さ。眉唾ものなエピソードなだけに、それを皮肉ったような脚色が一興かな。まあ、それがためにリアが降りてきたときのインパクトがより際立つわけだけど(演技せずとも人を魅了する存在感)、いくらデオンでもそこまで能なしとは思えないし、自ら姉が降りてくるのを待っていた感じにも見えた。そんなデオンを何か言いたげに見つめるテラゴリーも可笑しかった。芸達者な爺さんだから、きっと思うところ多々あったに違いない…。って、降りてきたリアのことも同じような目線で見つめているんだけど。
  リア、マクシミリアン、デュラン、この三者間での複雑な思いの交錯が面白くなってきた。