#12「ひとりぼっちのコゼット」

  夜の森に怯えるコゼット。どんなに健気でも、どんなに気丈でいようと、コゼットだって普通のか弱い女の子なのだという描写に泣けた。ファンティーヌ亡き後、母親が背負っていた形容詞がそのままコゼットに移ってきた感じだったな。でも、想像力を豊かにして気を紛らそうとしていた(逆効果だったけど)のがやっぱ逞しいなと思わせるところ。あの家庭環境でそういう架空世界に触れる場がコゼットにあった気もするけど(牧師さんが教えた?)。そして、運命の出会い。やっぱりファンティーヌの死とジャンの一件の後だけに、コゼットの明るい振る舞いに胸熱くなる。コゼットと知って、全てを悟るジャンの描写も自然で良かった。さあ、逆襲が始まるぞ。