#25「沈黙」

  さらば、L。最期の台詞を言わないだけでも、結構、趣が変わるもんだね。むしろ死期が近いことを悟っていたようなLに、最期の瞬間より、その前に重点を置いたことで生前葬のような趣が出ていた。土砂降りの雨のシーンが特に良かった。「これまで生きてきて本当のことを言ったことがあるのか」。やっぱLにとっても白月は全部茶番てことになるのか…。どんな理由であれ、月との頭脳戦は今までで一番スリリングで楽しいものだったのだろうな。あれだけ負けず嫌いのLが自らの死を悟り、それに強く抗おうとしなかったのは、結局最期まで死神頼りでリングからさっさと降りてしまった月への失望という感じでもある。敗北から来る絶望感というより、Lの寂しさがこもった回であったな。