#9「あっちのミチコさん」

  小学生最後の夏休みくらい…、そういう意味での合宿か。さすが、先生、泣けるぜ、と思うたら、子供たちは織り込み済みというのに笑った。電脳社会では電脳社会なりの怪談が息づいているというのがいい。都市伝説という言い方には違和感ありだけど。この子らぐらいの年齢だった頃を考えてみても、ハラケンのあの饒舌ぶりは充分恐怖に値しただろうな。怖がらせる意志がないというのほど、やっかいなものはない。