#10「検校仕置屋敷」

  道場内の騒動を尻目に、伊良子の存在を察知してか、生気を帯び始めた、帯び始めすぎて今度は過食症?というような三重に、尋常ならざる者たちの気配というものを改めて強く感じて息を呑む。曖昧と正気のあいだを器用に浮遊する虎眼はもうカワイイと思えるくらい。三重の思いも歪みすぎているし、伊良子の意趣返しも明らかに三重のためではないはずなんだけど、三重を見殺しにしたではないかと藤木たちをなじる伊良子の言葉が正論に思えてくるから何とも。