#52「銀の燭台」

  終わった。最後は泣けたなー。ファンティーヌが出てくるだけで、もう涙が二割増し。ジャンの思想や理想がコゼットやマリウスにしっかり受け継がれて、最後は「人は変われる」というジャンの台詞で締め。きっちり語り切ってくれて、感無量の心地。モンフェルメイユでつらい日々を送っていた頃のコゼットには、その苦労をものともしない利発さで大いに楽しませてもらったし、成長してからはやや影が薄くなったり、能面のような表情に萎えたこともあったけど、最後は昔のような豊かな表情に戻ってくれてとりあえず良かった。パリに舞台を移してからは、自分としてはエポニーヌの存在が何と言っても大きかったな。単なるいじめ役で終わらない良さがあった。今回の物語では、エポニーヌはファンティーヌに次ぐ悲劇の人として強く印象に残りそうだ。ジャン、あっちに行ったらエポニーヌのこともよろしく頼む。