#14「ツエザクラ」

  「俺だっていずれ死ぬ」。爺ちゃんの、このひと言に泣いた。瑞生の問いかけや、アヤカシたちとの付き合い方に性急な答えを出さない、陰ながら瑞生たちを見守るのが常の爺ちゃんなんだけど、それでも時間には限りがあると教え諭す、しがらみをほぐしてやるタイミングが絶妙なんだよな。爺ちゃんの、この突き放し加減、愛情加減がたまらない。静流や瑞生たちの周りにあるものは、アヤカシたちだけでなく、人間の側も失われつつある風景なのかと思うと、それもまた寂しい。むしろ人の心にアヤカシたちがいなくなっているということか。