#10「いよいよ浪士組」
 俺は心で武士になる。新たな思いを胸に、浪士組参加を決意する勇。志としては揺るぎないものがある一方で、浪士組結成を献策した清河八郎の思惑や幕府のごたごたはやはり別にある。気持ちだけでは如何ともしがたい部分がある。波に翻弄されたとき、志をどう保っていくのか。あくまで志を貫くのか、それとも波に逆らわず自分もまた変容していくのか。幕末という激動の時期だけに余計凝縮されたものになったからだと思うけど、勇たちの行動から目が離せないのはそこなんだろうな。身分制度の壁を感じながら、反幕の尊皇攘夷にはならず、むしろ幕府に仕える立場になるというのも面白いところ。食えなきゃしゃあないのも現実だろうし、本当の武士に取り立ててもらえるならそれはそれで願ってもないことだったのだろうし。その時どんな思いだったのか、勇たちにじかに訊いてみたい気分だ、マジで。
 それにしても藤原竜也の剃り上げ、似合わなかった。頭が真ん丸い人って、向いてないな。あれで、ちょんまげが乗っかってれば、まだ印象は違うのかもしれないけど。



#11「母上行って来ます」
 あなたは私です。母と子の和解。ふでは口では何だかんだ言いながら勇のことを案じているのだと思っていたので、これまでの非礼を詫びると言った時にはえー?って感じだったし、要らないエピソードとも思ったけど、泣いた。「武士よりも武士らしく」がお経のようになってきた。
 贋作濃厚の虎徹が勇の手に。贋物なら、自分が本物の虎徹にすればいい。勇はどこまで人が良いんだ。もうねえ、香取くんが一語一語はっきり発音するのを、イライラせずにじっくり聞いてあげたくなるほど、人が良い。(人使いの巧い)歳三を使ってやってください、とか言われて、笑みを浮かべてる勇。あー笑いを抑えきれない。