#21「ズッコケ結婚相談所」

 モーちゃん家の再婚話。母親の再婚にモーちゃんが乗り気でないことから、実の父親の話が浮上し、モーちゃんには実はお兄ちゃんがいて、小さい頃に亡くなっている、それが原因で両親が離婚した、ということが明かされる。そのことをモーちゃんは知らなかったというのはどうなんだろう。水子でもないんだし、仏壇に位牌くらい置いてあってもおかしくないし、隠すことでもないような気がするけど、離婚が絡んでいるから子供には伏せておいたということなのだろうか。
 で、もやもやしたままのモーちゃんはハチベエたちと一緒に、実の父親に会いに行く。実の父親に会い、話を聞き、それですべて納得したわけではないが、重しが取れて気が楽になる。モーちゃんも実の父親に何かを期待して会いに行ったわけではないと思う。自分の中で何か腹を決めるきっかけが欲しかった。その意味では、会いに行こうと決めて行動したその時点で答えが出ていると言えるけど、ただそれもモーちゃんひとりでは決めかねたとも思うので、時にはおっせかいなまでに背中を押してくれる仲間がいる、ズッコケ三人組の良さが出た話でもあるかな。
 それに自分も同じ小六の頃、両親の離婚の危機なんてものがあって(実はよくある)、親が離婚したらどっちに付いていくのだろうとか、兄弟としんみり話し合った記憶があるのでよく分かるけど、このくらいの年頃って、親の離婚や再婚、転校とか、環境の変化に何だかんだ言って敏感なんだよね。どっちつかずの宙ぶらりんさ。その微妙な味わいはあった。朗らか一家のモーちゃん家の意外な真相という面白さも良かったね。久々に、大人と子供、両方の立場から見たくなる話だった。