#6「攻撃命令」

 草加は協力的な姿勢を見せている。とはいえ、何を考えているのかまだ掴めなくて、油断できないところがあるのがいいね。みらいを裏切るというより、自らのプランがあって、いま自分が置かれている状況をそれに利用できるのではないかと考えているような、妖しげな雰囲気を感じてしまう。戦時下ではいつ死ぬとも知れない、その危機意識の強さもさることながら、情報をどう活用するかにも、草加は長けている感じ。ひとりの生身の人間としては、みらいのクルーたちの誰にも決して引けを取らない。最後に頼れるのは、最新鋭艦の性能なんかじゃなくて、人間なんだと感じさせる。まさに人間ドラマだな。草加がまた神出鬼没で、艦内の見取り図はとっくに頭に叩き込まれていそうな勢いだ。我々は今どの程度、歴史に干渉しているのだろうと心配するなら、草加を助けたことを一番に嘆くべきかもね。最初の一歩で、道を大きく踏み外した、と。