#1「引退記者のファイル」

  20年前のシーンが苦しい…。過去に縛られているという元新聞記者の心の揺れがいまひとつ分からない。主人公にとっては止まった時間でも、取材された側にとっては一通過点に過ぎず、生きている時間ということなのか。そのことに主人公は救われたということなんだろうか。しかし、それにしても、一つ一つの取材からひとりの人間像を築き上げてゆく作業、その過程ってのは大変そうだ。捏造は許されないけど、想像力は必要。人から取材したことがすべて真実とは限らないし、事実だけを積み上げていく。そこから生まれたものだから、フィクションにも劣らないドラマになる。まあ、この作品がそこまで感動的なドラマだったかはまた別として。