#22「第一の市民」

  終わり。まさかプッロとカエサリオンで締めるとは思わなかったよ。ヴォレヌスがカエサリオンに父のことを聞かせてくれと言われて語る様子に、ああ、ヴォレヌスはカエサルのことをこういう風に見てたのかと思って、あいや、父親違いかと気付いて笑った。カエサリオンに敬う素振りを見せつつ、ぞんざいな態度を隠しもしないヴォレヌスにも爆笑だった(そもそも敬意を払う必要もない相手の子なんだしー)。ヴォレヌスがカエサリオンを連れて逃げたのも、何よりプッロのため。プッロもヴォレヌスの子供たちのために何度も奔走した。それに報いようとするヴォレヌスという感じで、やっぱこの二人の友情と固い絆には最後まで感動した。エジプトの地で再会してから、多くを語らずとも息ぴったしの二人が最高に良かったかな。しかし、ヴォレヌスは締めを待たずに退場…。ローマの神々は堅物よりプッロのような楽天家こそ祝福するのだ、というところすかね。でも、真実を打ち明けた売春元締め女をプッロが絞め殺すところとか、以前エイレネと相思相愛だった奴隷を殺したときと重なるような、おいおいと思う場面ではあるのだけど、その自分の気持ちに真っ正直な生き方は共感するところでもあるんだよな。プッロは大きな流れに翻弄されるちっぽけな存在であることを自覚しつつ、そんなことは毛ほども気にせず、逞しく生き抜く力を持った者であると思う。プッロ親子に祝福あれ。